《 「ひらたん」10月号発刊! |
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2007年10月 5日
うしろ姿。
(福井県立図書館)
昼過ぎ、車を走らせていると、ご老人(男性)が歩いている姿が目に入りました。
ふと、記憶が蘇りました。
私が他県で不動産営業をしていた折、お世話になっていたオーナー様のうしろ姿にそっくりだったのです。
その方は、昭和60年くらいのアパートを所有されていらっしゃる方で、その当時はオーナー業と農業とを兼業されていました。
とてもまめな方で、とれたての野菜を店舗スタッフに分けて下さったり、新米を入居者様にプレゼントしたり、かと思えばイカ釣りもされ、大量のイカを山分けした記憶があります。
確か10世帯程のアパートでしたが、駐車場には融雪装置を作ってあり、北陸の冬・雪のシーズンでも入居者様にとっては非常に便利だったのではないかと思います。
修繕すべきところは率先して直し、次の募集に備える。
靴箱が無かったので、空いている部屋から靴箱を設置していく。
自分の家には洗浄便座が付いているから…とアパートにも設置していく。
築年数の古さに関係なく、空室になってもが自然とすぐ入居者様が入るというお手本のようなアパート&オーナーさんでした。
ある日、オーナー様から声が掛かりました。
「平田くん、じいさんと嫌かもしれんけどごはん食べに行くか。平田くんは若いから焼肉でいいかな」
「はい、喜んで行かせていただきます」
当日は、奥さんが運転手で、オーナー様と私で一杯飲みながら焼肉をご馳走になりました。昔話や地元の話、結局オーナー様の講演会でしたが、楽しい時間を過ごさせていただきました。
その数ヵ月後、私が地元(小浜市)に帰ることになり、お礼まわりに若狭塗箸を持ってそのオーナー様のところに寄せてもらった時、「あんたは孫みたいなもんや、さみしいな」と涙ぐんで下さった…
そんなことを思い出していました。
一期一会とはこういうことかもしれません。
もう会うことがないとしても、人の出会いによって人の中にその面影が残っていくのでしょう。
投稿者 hiratafudousan : 2007年10月 5日 16:41
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